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第7回活動紹介 日本ハム株式会社様(賛助会員企業)

2007年8月23日(木)に日本ハム株式会社様を訪ね、お客様コミュニケーション部お客様サービス室 室長 駒場聡様、同マネージャー森岡修二様にお話を伺いました。

<活動のご紹介>

1.会社の主な事業内容

2007年3月現在、日本ハムグループは連結子会社108社、持分会社11社で、連結売上高9,772億9,600万円。食肉の生産肥育(国内・海外)、食肉の処理加工、国内・輸入食肉の販売・物流、ハム・ソーセージ・加工食品の製造販売、水産・乳製品の製造・販売、その他(プロ野球・サッカーなど)と、食品を中心とする事業領域で多彩な展開を行っているが、連結売上高のうち食肉販売が5,106億9,500万円と52.3%を占めている。

2.お客様対応部門の変遷と役割

1969年本社・事業本部商品政策部に『消費者サービス室』を設置。以降、営業企画部、マーケティング部と担当部門が変更。1991年のフリーダイヤル導入に伴い、『お客様サービス室』と呼称を変更。同時に『お客様対応支援システム』としてデータベースを設定し関連部門で情報の共有を進める。当時のフリーダイヤル応対担当は、事業本部、加工食品事業部、惣菜事業部、ハム・ソーセージ事業部の各事業部に分散していた。 2002年8月に発生した不祥事を受け社長直轄の管理本部内に、品質保証部内組織として『お客様サービス室』を設置し、各事業に分散していた電話対応業務を一本化し、機能強化を図った。2004年品質保証部内組織より独立し、社長直轄の『お客様サービス室』となる。 2007年4月、同じく社長直轄部署のCS室と共に『お客様コミュニケーション部』となり、コミュニケーションセンターとしてのお客様との誠実な応対と、いただいた情報を社内に提供し、商品やサービスの改善・開発への活用を促進する役割を担っている。

3.日本ハムにおけるお客様対応の基本姿勢

・グループ全体の合言葉
『日本で一番誠実と言われる企業グループを目指す』
・CS方針
『日本ハムグループは、経営者及び従業員一人一人がお客様視点の行動を何よりも優先し、お客様が満足し続ける商品・サービスを開発し続けます。』

①お客様のニーズと時代の変化を察知し、日本ハムグループの技術を商品・サービスの開発に反映します。

②より便利で豊かな食生活をご提供するために、お客様の声を真摯に受け止め、商品・サービスの改善に努めます。

③迅速かつ正確なお客様対応を行い、お客様の不安や不満を喜びと満足に換えます。

④お客様の視点で、品質を重視し、環境に配慮した活動を行います。

上記①から④を掲げ消費者視点に立った行動を実践している。

4.お客様サービス室の現状

取締役専務執行役員を担当役員にお客様サービス室長、電話受付業務を担当する8名とその他実務業務担当5名、総勢14名で活動する独立した部門である。お客様サービス室での消費生活アドバイザー取得者は2名。

・年間扱い件数は約20,000件

・ご指摘構成比 約20% 商品に関する問合せ 約80%

・対応時間 午前9時~午後6時(日曜・祝日を除く)

5.お客様対応の流れと情報の共有化

・お客様対応の流れ
お客様サービス室に入電する問い合わせは電話受付担当者が一次対応し、現品確認などの二次対応が必要な場合には全国各地の営業所の担当者による訪問対応を基本として対応している。お客様に直接対応する営業担当者を対象とした『訪問対応』の研修(お客様対応の心得・電話対応・訪問対応・来社面談対応など)も実施し、お客様対応の強化をはかっている。

・情報の共有化
2003年にお客様情報管理システム『SMILEシステム』※を導入した。お客様対応にて得られた情報は『SMILEシステム』に入力され、蓄積された情報は社内各部署で閲覧、情報検索が可能になっている。重要な案件は目立つように表示され、危険性の高い案件については関連部署にて緊急調査を行い、迅速に商品回収等の対応ができる体制を取っている。 『SMILEシステム』の情報はお客様サービス室から日報として社長をはじめ経営トップ、関連担当者にメールでも配信している。 毎月1回開催される取締役会にて『SMILEシステム』に登録された情報の分析内容をお客様サービス室より報告している。このようにお客様情報は貴重な情報として蓄積され商品の開発・改善に活かしている。
※SMILEシステム:①お客様相談支援、②受付情報入力・発信、③受付情報解析、④二次対応及び改善活動追跡の4つを併せ持つシステム

・リスク管理
商品の販売中止や販売停止については、お客様サービス室からリスク情報を発信し、品質保証部が主幹部署となって事実確認を行い、それを基に各事業部の権限で発令する。

6.お客様の声を活かす

1995年にホームページを開設、品質への取り組みや食物アレルギー対策、BSE対策、工場見学など日本ハムの品質情報を提供している。 お客様からのメール対応も開始され、寄せられた多くのお客様情報は、よりよい商品開発のために活用されている。 商品評価や改善については、各部門においてCS担当者を中心に行っており、2ヶ月に1回、各グループ会社、各事業部の担当者が出席しCS担当者会議を実施している。 お客様サービス室では、発売前パッケージのデザイン、キャッチコピー、取扱説明書(取扱方法・調理方法)などの表現についてお客様視点からチェックを行い、修正などの情報を事業部に提供している。 お客様コミュニケーション部が企画・運営する定期的に実施される第三者評価として、1969年から実施されている『奥様重役会』※、奥様重役会を卒業した主婦が入会することのできる『ファミリー会』で、お客様視点で商品が評価され商品開発や販売促進活動などの企業活動に活かしている。
※奥様重役会:応募された主婦から選ばれたモニター(奥様重役と命名)と日本ハムスタッフで行う会。商品開発が主な目的で、会で提案された意見などは日本ハムの商品づくりや改善に活かされる。

7.お客様サービス室の課題

2006年からスタートした中期経営計画(3ヵ年計画)では「品質No.1経営の推進」を重点方針として設定。お客様に「魅力と感動」を得ていただける商品・技術を開発し続ける体制をつくること、さらにこの取組みから、お客様満足と品質を重視する企業風土を醸成して企業文化に育てることを目的とし、消費者志向経営の定着を進めている。その一環として主任や係長への研修では、お客様サービス室での応対内容を体験させ、お客様の真のお申し出(本音)は何かを議論させるなどCSマインドの浸透にもつとめている。 今後のお客様サービス室の課題は、①消費者志向経営推進のけん引役を担う②長期展望に基づいた人材の育成③ISO10002※をベースにしたお客様対応態勢の全社的確立である。
※ISO10002:苦情対応マネジメントシステムのためのJIS規格であるJISZ9920と同様に、苦情対応の基本原則やその基本原則を達成するために必要な苦情対応の枠組み、苦情対応プロセス手順を規定している規格。2004年7月に制定され、2005年6月にはそれに合致した日本規格JISQ10002が制定された。

8.消費生活アドバイザーの活動状況

社内での消費生活アドバイザー取得者は、現在6名、お客様サービス室勤務者は2名、環境対策部署など他の部門で消費生活アドバイザーとしての知識を活かし活躍している。 消費生活アドバイザーの資格取得については、通信教育制度があり推奨している。

<訪問を終えて>

2002年の不祥事を期にお客様対応態勢をドラスチックに変更され、お客様の声を真摯に受けとめ商品改善に活かしていこうという姿勢に共感するとともに、年間300件もの改善事例があることにも感心しました。消費者志向の推進にあたっては、人材育成が課題とされています。研修を担っておられるのが電話受付業務を担当されていた女性であることをお聞きし、消費者の声を人材育成に取り込んでおられる姿勢がうかがえうれしく思いました。食の安全が取りざたされる昨今でもあり安心・満足・感動を得る商品と技術の開発にさらにまい進されることを願っております。

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