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第8回活動紹介 東洋精米機製作所様(賛助会員企業)

2008年10月30日(金)に株式会社 東洋精米機製作所様(和歌山市)を訪ね、取締役 阪本哲生様、企画部 課長 関博行様にお話を伺いました。

<活動のご紹介>

1.会社の主な事業内容

 昭和36年に現社長雑賀慶二氏が近代精米工場の幕開けとなった、小石をふるい分ける石抜き機「トーヨー撰穀機」を開発し、 東洋精米機製作所を設立。以降、人の根元である食分野に関わる企業として、「無から有を生み出す」トーヨーならではのノウハウとユニーク な発想で、「米」を通して環境事業に取り組み、平成3年とぎ汁を出さないBG無洗米の開発に成功。「米」のとぎ汁による水環境汚染の防止に 大きく貢献。さらに、「米」の栄養とおいしさに着目して「金芽米」を開発。環境を考え、グローバルな視野で「米」を考える事業を展開し ている。

2.とがずに炊けて、環境への負荷も軽減した「BG無洗米」

1) 開発のキッカケ
  米のとぎ汁には有機物やリン、チッソなどが含まれており、それを生活排水で流すと水質汚染の一因となる。昭和51年、紀淡海峡を 渡った雑賀慶二社長が、青く透きとおっていた海が大量の赤潮で汚染されているのを目にして、米のとぎ汁を出さない無洗米の開発に着手。

2) 「ヌカ」で「ヌカ」を取る発想「BG精米製法」
 「ブラン(Bran)=ヌカ グラインド(Graind)削る」 精白米の表面に残っている粘着性の強い肌ヌカの性質を利用し、製造工程でも何も加えず無洗米にする製法。何も加えない(水も使わない) 製法のため、安全で安心かつ工場排水も出ず環境にやさしい。また、BG精米製法で取り除かれた肌ヌカは、栄養分が豊富な天然の有機質資材 「米の精」としてお米、野菜、果物の肥料、また家畜の飼料として、すべてリサイクルされており、「循環型農業」の確立に貢献している。 (ゼロエミッション)

3) 環境の負荷を軽減
 下水処理場では、とぎ汁に含まれる有機物などを除去する際、たくさんのエネルギーが必要。BG無洗米は家庭でも工場でもとぎ汁を 出さないので、その分のエネルギーが不要(普通米とぎ汁処理時の1/2以下)、またエネルギー使用の際に排出されるCO2も出さない (普通米とぎ汁処理時の約1/3) 家庭でも1年間で2リットルのペットボトル828本分の節水となる。環境ISO14001を取得する企業から 社員食堂に採用したいとの問合せもたくさんあった。

4) 無洗米市場の70%のシェア
 BG無洗米機のレンタル方式を導入し、全国56箇所で「BG精米製法」の無洗米が作られている。BG無洗米の流通は年間43万トン、流通する 無洗米の70%のシェアを占めている。

参考 : 米の総流通量(推定) 年間600~700万トン 無洗米の総流通量(推定) 年間60~70万トン

3.栄養とおいしさを一緒に残した健康志向の白米「金芽米」

1) 開発意図
 お客様の健康志向に応えるために、従来の精米方法では取れてしまっていた、米の栄養とうまみが豊富に含まれている胚芽や亜糊粉層に着目。 玄米の表面から少しずつヌカ層を取り除き、金芽(栄養豊富な、胚芽の基底部)と亜糊粉層(白米とヌカの境界線、栄養とうまみ成分が多く 含まれている)を残すオリジナルな精米法「均圧精米法」を開発した。「金芽米」というブランド名でトーヨーライス株式会社を通して販売。

2) 豊富な栄養
 通常の白米に比べて、ビタミンB1、ビタミンEは約2倍。食物繊維、オリゴ糖は約1.5倍。健康に良い金芽米=スポーツ選手のイメージで、 テレビCMに出演依頼していた選手が、トリノオリンピックで金メダルを獲得し、知名度が急上昇した。 児童や従業員の健康を考えて、 学校給食や社員食堂に採用する自治体、企業が増えてきている。 全国6~7箇所の工場で年間約10000トン製造。

4.米のうまみを数値化「味度メーター」

 米(ご飯)のおいしさとは、口の中での感触、つまり、口当たり、舌ざわり、噛みごたえなどによって決まる。 口の中での感触は、米の品種やご飯の炊き方で大きく変わるが、それはご飯粒表面を覆う「保水膜」によるものであることを発見。 平成2年、人の感覚でしか測ることができなかった米の味をこの「保水膜」に着目して測定する事を可能にした食味計測器を発表、 公的研究機関、企業などで活躍している。


<今後の課題>

1) BG無洗米の持つ特徴を広くお客様に情報発信していく。
 小売店の店頭では無洗米は1kgあたり、約20円高く販売されている。しかしながら普通の精白米はお米を研いだ際にとぎ汁として出る 肌ヌカが3%含まれている。価格の面で見かけは高いが実際にはそれほど大差はない。
  例) BG無洗米 5kg  2300円、 1kg当たり 460円
     一般精白米5kg 2200円 ⇒肌ヌカ分150g(正味4.85kg) 1kg当たり 454円
また、とがなくてもすぐ炊ける利便性と水の節約、とぎ汁による水の汚染防止など環境にやさしいお米であることをPRしていく。

2) エコカプセルの実用化
 「米」をおいしく長期間保管できる設備。食料自給率を高めるためにも、「米」の生産・保管は今後重要になってくる。
3) より一層環境に配慮した、省エネ 精米プラントの開発


<NACSに期待すること>

 株式会社 東洋精米機製作所では直接消費者と接することがないため、お客様相談センターなどの消費者対応部門が社内に はない。そのため、消費者に近い立場のNACSから、消費者目線での忌憚のない意見を発信してほしい。また、消費生活アドバイザー、 消費生活コンサルタントの資格を取得した社員はいないが、今後推奨していきたいとのことでした。


<訪問を終えて>

 「無から有を生み出す」など独自のノウハウとユニークな発想から数々の開発を手がけ、“米”を通して人の根元である食分野に関わる企業として、積極的に環境問題に取り組んでいる姿勢に感服しました。また、「技術開発に終わりはない」という雑賀社長の精神をモットーにして、常に新しい技術開発にも取り組んでおられます。 訪問を終えて辞去する際、事務所の方たちが全員立ち上がってご挨拶くださいましたが、こんなところからも、この会社の姿勢がうかがわれると感じました。 NACSとしては、お客様との直接対応部門をもたない株式会社東洋精米機製作所様にお客様目線での情報発信を積極的に行っていきたいと 思いました。

※工場見学は、関東工場で実施しています。和歌山市の本社は設備が古くなっていますが、 希望があれば見せてくださるそうです。 
                                                                             

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